まつもと整体院の好きな事色々

都会から遠く離れたスキー場。
タンカに乗せられた男が運ばれてきた。正気付いた男が話を始める。
熊を追って山奥へ入り、久し振りに獲物に出会ったと意気込み銃を構えると、それは熊ではなくゆきんこだった。
それまでに何度か狩りの邪魔をされたことのある男は、脅かすつもりで空へ向かって銃を一発放った。
「ウー、ウーよ。助けて！」と叫ぶゆきんこ。
すると山からウーが現れて雄たけびを上げた。

その話を聞いたスキー場の関係者は科特隊に調査を依頼する事にした。
ハヤタ、イデ、アラシの三人は雪山へ向かった。
その頃、ゆきんこは子供達の堀った落とし穴に落とされていた。
「ゆきんこは雪女の子供だ。早くこの村から出て行け！」
科特隊のビートルがゆきんこの上を飛んでくる。
「科学特捜隊がウーを退治に来たぞ。」
と言って走り去る子供達。ゆきんこは不安そうに空を見上げた。
山へ到着した科特隊の三人は「ウーの噂で客が減っている。真相を突き止めて欲しい。」と言われる。
「そんな怪物がいたら、たちどころに退治してあげましょう。」と言うイデ。
ゆきんこがその話を聞いていた。

ウーが現れたという飯田山に向かう三人だが、ハヤタがゆきんこの掘った穴に落とされてしまう。
近くにいたゆきんこをイデが捕まえた。
「僕達が誰だか知っているのか？」と問うイデに、ゆきんこは「何でもかんでも怪獣呼ばわりして殺してしまう恐ろしい人達。」と言って去って行った。
山から戻ってきた三人はスキー場関係者からゆきんこの素性を聞く。
１５年前の大雪の夜、行き倒れの親子がいて、母親は死んでいたが、残された赤ん坊は元気だった。
元気だったことがかえって不気味がられ、雪女の子だと噂になり、誰も引き取る者がなかった。
そんな中、飯田山のふもとで炭焼きをやっていた喜助という老人が育ての親になったのだが、喜助も死に、今はひとりぽっちになってしまった。
素性が判らないという理由で何となく敬遠され、ウーの一件もあり誰も寄せ付けなくなってしまったのだと言う。
スキー場にウーが現れた。
ゆきんこは「ウー、暴れてはダメよ。人間に乱暴をはたらくと、仲間に入れてもらえなくなるわ。さあ、山へお帰り。」と言い、ウーは山奥へと姿を消して行った。
村の少年達が掘った落とし穴に一人の男が落ちて死んだ。
猟師達はゆきんこのしわざに違いないと決めつけ、ゆきんこを村から追いだそうと意気込んでいた。
猟師達がゆきんこを捕まえようと銃やスコップを手にゆきんこに迫っていた。
「私じゃないわ。」と叫び逃げるゆきんこはウーを呼んだ。
現れたウーにイデとアラシはビートルで攻撃をするがウーの反撃で墜落してしまう。

ハヤタはウルトラマンに変身してウーと戦う。
「ウー、ウーよー。」ゆきんこの声がこだまする。
ウーはウルトラマンと戦うのをやめ、静かに消えて行った。

ひとり雪の中に倒れて動かないゆきんこ。遠くで汽笛がこだまする。
ハヤタによって正気付いたイデとアラシ。
ウーが消えたと聞き、
「俺はこんなことを考えていたんだ。ゆきんこって女の子は実際にはいなかったんじゃないかって。俺達が会っていたのは雪山の幻だったんじゃないのかってね。」と言うイデ。それに答えてアラシがつぶやく。「そうかもしれん。かわいい子だった。あんな清らかな心の持ち主には二度と再び会う事はないような気がするな。」

ゆきんこを落とし穴に落とし、雪女の子供と決めつけ、村から追い出そうとする子供達。
落とし穴をゆきんこの仕業と決めつけ捕まえようとする大人達。
結局ゆきんこを救えなかった科特隊とウルトラマン。
差別、偏見、いじめ、善と悪の基準。色々な問いかけをしてきます。
派手なウルトラマンの活躍はなく、単なる子供向けヒーロー番組ではない作品になっています。